🟧 認知症理解・啓発につながる声
〜当事者の言葉から考える5つの視点〜
1.何気ない言葉で傷ついてしまうことがある
60歳・女性/若年性認知症
「若年性の場合は予防なんてできない。『予防しましょう』といわれると自分が悪かったみたいに感じる」
気づき:言葉の選び方によっては思いがけず、当事者を追い詰めてしまうことがあります。当事者の気持ちになって考えてみましょう。
2.“認知症だから”の決めつけで傷ついてしまう
60歳・女性/若年性認知症
「『あの人認知あるから』とか『スイッチ入った』とか、すごく嫌な言葉」
気づき:偏見をなくすには、日常の言葉づかいが大切です。「認知症になっても安心して暮らせる街💛まつど」を目標に日ごろから相手を思いやった言葉遣いを心がけましょう。
3.“自分のこと”でもわからなくて苦しいことがある
50歳・男性/若年性アルツハイマー型認知症
「やれる事かやれない事か、本人もわからないことを理解してほしい」
気づき:認知症初期の段階では、できる・できないが日によって変わることがあります。その日の体調をよく見て何をサポートしたらよいのか、その日の相手に合った支え方を見つけましょう。
4.本音を言えずに苦しむ本人と家族
60歳・女性/若年性認知症
「本人は家で過ごしたいけど、家族は無理だと思っている」
気づき:本音を話せる場があると、本人も家族も心を落ち着かせることが出来ます。認知症カフェなど気軽に行ける地域の場に足を運べるといいですね。
5.行政や地域が“声を聞く場”をつくることが安心につながる
50歳・男性/若年性アルツハイマー型認知症
「行政主体の当事者の意見を聞く場を作ってほしい」
気づき:当事者の声が地域づくりの力になります。高齢者いきいき安心センターが中心になって当事者や家族のつどいの場を設けています。興味がある当事者がいれば、「高齢者いきいき安心センター」に相談してみましょう。
🌿 若年性認知症や高齢者の認知症(当事者)の方の声から見える
「一緒にいればできること」と「理解・啓発につながる気づき」
松戸市に寄せられた、当事者の声をもとに、 日常生活での困りごとや、地域に望むことをまとめました。声から想像される「背景」やオレンジ協力員さんに「できること」も書いてあります。皆様の日々の活動や生活の参考にしていただければ幸いです。
オレンジ協力員の活動では以下の内容を活動の目安として取り組んでいます。
1.認知症の人・家族の話の傾聴
2.認知症の人・家族の相談(にのる、相談先につなぐ)対応
3.認知症の人のお話相手や個人活動(認知症の方がご自身で行っている個人作業など)の補助
4.認知症の人の外出支援(散歩・買い物等への同行)
5.レクリエーション等の補助及び芸の披露
6.体操教室、認知症予防教室、認知症カフェ、サロン等の運営補助
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
8.認知症の普及啓発に関する事業(認サポ等)への協力
9.地域見守り活動(オレンジパトウォーク等)
10.オレンジ協力員対象の(認知症に関する)勉強会・研修会
🟦 日常生活で「一緒にいればできること」
〜当事者の声から見える10のヒント〜
⑴外出・移動の不安に寄り添う
50代・男性/若年性アルツハイマー型認知症
「電車の乗りかえがわからない。歩道がこわい」
背景:バスや電車など公共交通機関は「自由に行き来できる手段=社会とつながる手段」です。しかし認知症になると
・行先や乗り換えの方法を忘れてしまう
・最近乗車した駅の情報が残っていて混乱する
・帰り方を忘れてしまう
・ICカードの使い方がわからない等で外出が怖くなることがあります。
また、足元がふらつきやすくなり、まっ直ぐに歩けなくなることがあります。
出来ること:乗り換え案内、段差の声かけ、ゆっくり歩くペースづくり。
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
9.地域見守り活動(オレンジパトウォーク等)
⑵買い物や用事に付き添ってもらえると安心
80代・男性/認知症(脳萎縮あり)
「歩くのが辛くて遠くまで行かれなくなった」
背景:歩行の不安と判断の難しさが重なり、外出が減少。
出来ること:買い物同行、道案内、荷物を持つなどのサポート。
4.認知症の人の外出支援(散歩・買い物等への同行)
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
9.地域見守り活動(オレンジパトウォーク等)
⑶ふらつきや転倒が不安なときの支え
60代・女性/若年性認知症
「地にしっかり足がつかないみたいでふらふらする」
背景:身体感覚の変化があり、転倒リスクが高くなります。
出来ること:歩行の見守り、段差の声かけ、こまめな休憩の提案。
4.認知症の人の外出支援(散歩・買い物等への同行)
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
9.地域見守り活動(オレンジパトウォーク等)
⑷“行きたい場所”に行くための後押し
90代・女性/認知症
「友達に会いたい。姉にも会いたい」
背景:認知症になると歩行の不自由や行き方を忘れる等の理由で外出が難しくなり、つながりが減少することがあります。
出来ること:移動の同行・サポート。
4.認知症の人の外出支援(散歩・買い物等への同行)
⑸地域の場に行く勇気が出る
60代・男性/若年性前頭側頭型認知症
「デイサービスに行くのが楽しいよ」
背景:孤立を防ぐ大切な場になっている。
出来ること:初めての場所に一緒に付き添ったり、施設内での雰囲気づくりのお手伝いができます。
3.認知症の人のお話相手や個人活動(認知症の方がご自身で行っている個人作業など)の補助
⑹趣味や楽しみを続けられる
80代・男性/認知症(脳萎縮あり)
「ものを作るのは楽しいので続けていきたい」
背景:創作活動は生活の張りになります。
出来ること:制作中の見守りや必要であればサポートをして、完成したら一緒に喜びを分かち合いましょう。
3.認知症の人のお話相手や個人活動(認知症の方がご自身で行っている個人作業など)の補助
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
⑺メモや確認を一緒にすればできる
76代・男性/認知症
「忘れちゃうからメモするようにしてる」
背景:メモは自分の安心感だけではなく、家族との関係を保つ手段にもなっています。
出来ること:メモの場所確認、予定の再確認。急かさずに相手のペースを尊重して待ちましょう。
7.個別支援活動(見守り支援・安否確認)
⑻“迷惑をかけたくない”気持ちを受け止めてほしい
60代・男性/アルツハイマー型認知症
「家族(特に妻)に迷惑をかけないこと」
背景:発症初期に症状の自覚があるときは、自己評価が下がりやすい時期です。
出来ること:相手の気持ちに寄り添い、否定せず、できていることを伝えて安心感を与える傾聴の姿勢が大事です。
1.認知症の人・家族の話の傾聴
2.認知症の人・家族の相談(にのる、相談先につなぐ)対応
⑼家での役割を続けられるように見守ってほしい
80代・女性/アルツハイマー型認知症
「洗濯や調理などできることはやるようにしている」
背景:認知症になると、できないことが増えて落ち込んでしまう事もあります。家の中や地域で役割があることで“自分らしさ”が保たれると前向きになるきっかけになります。
出来ること:安全の確認、手順の声かけをし、完成したらできたことを一緒に喜びましょう。
3.認知症の人のお話相手や個人活動(認知症の方がご自身で行っている個人作業など)の補助
6.体操教室、認知症予防教室、認知症カフェ、サロン等の運営補助
⑽家族との関係がうまくいかないときの“第三者”の存在
50代・男性/血管性認知症(脳梗塞後)
「周りが自分の気持ちを分かってくれない」
背景:言葉が出にくい・感情がコントロールしづらい状況。
出来ること:相手に寄り添った傾聴の姿勢で聴く。必要であれば気持ちの代弁、家族との橋渡し。
1.認知症の人・家族の話の傾聴
2.認知症の人・家族の相談(にのる、相談先につなぐ)対応
🌱 最後に
「認知症のある方の声には、『できないこと』よりも『一緒ならできること』がたくさんあります。そして、『理解してほしい』『話せる場がほしい』という思いは若年性・高齢者を問わず共通しています。私たちと同じように、安心すれば笑い、戸惑えば不安になり、誰かとつながることで力を取り戻す、だからこそ寄り添う関わりが大きな力になります。」
地域の誰もが “ちょっとした寄り添い”で本人の力を引き出せる存在になれます。できることから少しずつ、支え合える地域を広げていきましょう。